私は『コントラバス奏者のためのスケール・スタディ 創造的で一貫性のある演奏のために』と題して教則本をpdfにて提供しています(有償)。
この度、第III巻「指板中央における運指」が完成し、また第II巻「親指ポジションの基本的な運指とその応用」を改訂しました。
これらの教則本は、私が自分自身の運指強化のために行ってきたスケール・スタディと運指法習得のためのエクササイズの一部です。
第I巻「低音ポジションにおける基本的な運指」では主にロー・ポジションを中心に、第II巻では親指ポジションを扱っています。
また、第III巻のp「指板中央」とは、具体的にはネックの付け根付近、クロマティック・システムで第7ポジションあたりの運指を強化するエチュードです。このあたりのポジションはジャズやクラシックのようなジャンルを問わず、メロディやソロを演奏する上ではとても魅力的な音色を引き出すことができるのですが、私も含めてこのあたりの「地理に不案内」なためについロー・ポジションに戻って弾いてしまうベーシストは少なくないはずです。そのような状況克服のためのエクササイズをまとめたものが第III巻です。
内容は、メジャー・スケールとメロディック・マイナー・スケールについて、スケールやそのフラグメント、それにスケール内での様々な音程のエクササイズから成り立っています。第I巻は73ページ、第II巻は47ページ、第III巻は35ページで、すべて取り組んで身につけようとすると、現在の到達度や練習頻度にもよりますが数年から10数年はかかるでしょう。
さて、なぜ私ごときがこのような教則本を公開しているか疑問を持たれた方もいらっしゃると思います。その理由は単純で、一貫性のある運指とスケールスタディのメソッドが不十分だと考えていたからです。
ジャズ・ベーシストのなかには、フレーズは思いついたにもかかわらず、運指がうまくいかなかったために、途中で演奏が止まってしまうという悔しい思いをした方も少なくないと思います。その理由は、運指法の習得方法に問題があると考えました。
「創造的で一貫性のある演奏のために」という副題をつけたように、合理的で一貫性のある運指を身体になじませることで、このような「運指の手詰まり」を解消できるものと思います。「創造的で一貫性のある演奏のために」という副題をつけたのも、一連の教則本がこの問題を克服するために編んだからです。これは、ジャズのような即興音楽だけでなく、クラシック音楽のような書き譜の初見演奏にも役立つものと信じます。
一貫性を担保するために、すべてのエクササイズは「たけやぶやけた」のような回文のように構成されています。そして、音(フレーズ)と同様、運指(指番号やポジション番号)も回文のようになっています。このようにして運指の例外を徹底的に排除するという方針で編まれた教則本は、皆無ではないかもしれませんがとても少ないものと思いますし、私のオリジナルな部分であると考えます。
実際、一貫性のある運指を意識して取り組むようになって、私の運指は大きく改善し機動的になりました。実は、pdfとしてまとめたメジャー・スケールやメロディック・マイナー・スケールだけでなく、それぞれのモードについても同様のトレーニングをしているので、私が提供する100ページ超というのは、私のスケール・スタディの1割にも満たないので、もし要望があれば続編を、とも思っているのですが、まずは、基本的なスケールからじっくり取り組んでいただければと思います。
pdf は、私のBASEのサイト「ジャズベーシスト吉岡直樹のオンラインショップ」からお求めになれます。いくつかのページもサンプルとして画像で公開していますので、ご検討の上よろしければご購入いただけると嬉しいです。